CASE STUDYホスト会計システムと全国22カ所の拠点をつなぐワークフローシステムを構築し、経理業務を効率化。証憑を電子化し内部統制にも対応。

日鉄鉱業株式会社様

日鉄鉱業株式会社 経理部 財務課 北嶋新平 氏(左)、 情報システム課 吉澤隆 氏(右)

日鉄鉱業株式会社では、22拠点(営業所を含む)をつなぐ営業・会計系ワークフローを導入。「ExchangeUSE ワークフロー」を活用することで、ホスト会計システムに大きな変更を加えず、また、既存の営業システムとシームレスに連携のできるワークフローシステムを短期間で構築しました。これによって、経理業務の効率化を図ると共に、今後予定している経理業務の本社集約のための基盤を整備。また同時に、請求書や領収書などの証憑を電子化することで、内部統制の強化も実現しています。

導入のポイント

  • ホスト会計システムに大きな変更を加えず連携

    現在使っているホスト会計システムに大きく手を加えることなくワークフローを追加。経理業務の効率化と、今後予定している本社での経理業務集約の基盤を整える。

  • 証憑を電子化し内部統制を強化

    ワークフローに請求書や領収書などの証憑データを添付。結果を電子文書管理サーバへ集約し、本社での監査が容易になり、内部統制の強化に寄与。

  • 自動起票によるユーザーの利便性向上

    ホスト会計システムが営業システムから取得したデータを自動的にワークフローに起票。ユーExchangeUSE Web申請ワークフローザーの利便性を向上させながら業務効率を向上。

全国の各拠点ごとに行っていた経理業務をワークフロー化し、本社で集約

これまで日鉄鉱業株式会社では、経理業務を全国22カ所にある各拠点が個別に行い、処理した後の財務データだけを本社に集めて、全体の財務会計処理を行っていました。

「弊社では今後、業務効率化のために経理会計業務を本社に集約するという方針があります。そのためには、これまで各事業所が個々に行っていた決裁や承認を電子化することが必要です。承認者が離れた場所にいても承認できる仕組みが必要だったのです」と、経理部財務課の北嶋新平氏は言います。

経理業務を本社へ集約するという構想は、これまでにもあったそうです。しかし、30年余り使い続けているホスト会計システムとの連携をどうするかが課題となり、容易には実現できませんでした。

経理部情報システム課の吉澤隆氏は、「長年のアプリケーション資産もありますし、複雑な会計処理を行っていることもあり、既存の財務会計パッケージやERPの採用が困難だったのです。既存のホスト会計システムに大きな修正を加えることなくワークフローを構築できる製品が必要でした。ExchangeUSE ワークフローのエンジンを活用することで、それが可能になると考えました」と語ります。

ホスト会計システムにあまり手を加えず、短期間でワークフローを構築

こうして2007年5月、ワークフロー化のプロジェクトがスタートしました。富士電機では導入にあたり、ExchangeUSE ワークフローの機能が日鉄鉱業様側のニーズに、どれだけ適合(Fit)しどれだけズレ(Gap)ているかを検証しました。このFit&Gap分析により、後工程での設計変更や開発遅延を防ぐことができます。

 そのため、大きなテーマであったホスト会計システムとの連携についても、「処理方法を変える必要もあり若干の開発が必要でしたが、大きなトラブルもなくスムーズに済みました」(吉澤氏)とのことです。

 また、ユーザーの利便性を考慮した工夫も数多く盛り込みました。例えば、申請画面を従来使っていた紙の帳票のイメージと同様のデザインにしたり、申請が却下される場合や連絡が必要な場合だけ申請者にメールが通知される仕組みにすることで、不要なメールを排除したことなどです。

 2008年8月にテスト運用を開始し、社内のすり合わせや、実際に利用する社員への周知などの課題を経て、12月から本格運用を開始しました。

 「実際に使う社員にとっては、操作面での不安もあったはずです。操作マニュアルを作ったり本社と全国4カ所の支店で説明会を開催するなどで社員の理解を求めました」と北嶋氏は言います。

 システム開発が重要なのはもちろんですが、実際にそれを使う社員へ理解を求めたり操作方法を周知させることも、システム導入の成否を大きく左右するといえます。

日鉄鉱業 システム概要図

経理業務のスピードアップと内部統制の強化を実現

申請・承認の効率化やスピードアップのほか、領収書や請求書などの証憑を電子化して一元管理することによるメリットも大きかったそうです。

 「これまで紙の原本は各事業所で保管していました。原本の閲覧が必要な場合には現地に行くか、原本を取り寄せていましたが、そうした手間がなくなりました。必要に応じてすぐに確認できますし、監査の際にもすぐ閲覧可能です」(北嶋氏)

 さらに今後は、社員の業務効率アップにも期待を持っています。電子帳票サーバに蓄積された過去のデータを検索・参照することで、入力の手間が省けるのです。

 「まだ導入されて間もないため、大きなメリットを感じていないと思うのですが、今後データが蓄積されていくにつれて便利さを実感すると思います。例えば、稀にしか使うことのない申請書を、過去のデータを検索して呼び出し参照するといったことができるようになります」(吉澤氏)

* * *

 最後に、今後の取り組みについてうかがってみました。「ワークフローとグループウェアを連携させ、未承認案件があるときにはグループウェア上に通知するといったように、利用者の使い勝手を良くしたいと考えています。また、シングルサインオンも実現したいですね」(吉澤氏)

 「今回は、経理業務の本社集中のための基盤づくりということが大目標であり、短期間でシステムを構築したかった。しかし将来的にはe文書法にも対応させ、書類保管の省スペース化につなげたいです」(北嶋氏)

記載されている会社名、製品名は、それぞれの会社の商標登録または商標です。記載されている内容は2009年4月現在のものです。予告なく変更する場合があります。

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