クラウド型ワークフローシステムの種類
かつてワークフローシステムと言えば、各企業が長い間培ってきた企業文化や暗黙のルールにあわせスクラッチ開発し、オンプレミスで運用するのが一般的であった。しかし、クラウド化の波はワークフローにも押し寄せ、昨今の働き方改革やコロナ禍でのテレワーク拡大もあり、クラウド型ワークフローシステムが人気を博している。
ひと言でクラウド型ワークフローシステムと言っても多様な提供形態があり、製品・サービスにより料金プランや機能など特長も様々だ。提供形態において対極となるのが、「パブリッククラウドのSaaS製品を利用する」、「独自システムをプライベートクラウドで利用する」の2パターンだ。
SaaS製品と独自システム、それぞれの特長
パブリッククラウドのSaaS製品
SaaS製品については、各社から次々とサービスが提供され活況を呈していることは前述のとおりだ。初期投資不要で導入でき、ハードウェアやソフトウェアの運用管理からも解放されるなどメリットが大きい。一方で、汎用性を重視した標準的な機能にとどまり、UIなど個社ニーズにあわせたカスタマイズには対応しないのが一般的だ。リソースをマルチテナントで利用しインターネット接続が一般的であることから、独自のセキュリティコントロールができず、セキュリティ要件に対応できないケースも出てくる。
プライベートクラウドで利用する独自システム
“SaaS製品は、独自要件への対応やセキュリティについて懸念があり採用できない、ただ、インフラの運用管理が大変なオンブレミスだけはどうしても避けたい”というケースで有効なのが、独自のワークフローシステムをプライベートクラウドで利用するアプローチだ。IaaSやデータセンタのホスティングサービスを導入し、その上にスクラッチ開発のワークフローシステムやカスタマイズ可能なワークフローのパッケージ製品を展開し、プライベートクラウドとして利用する形だ。セキュリティを含め独自の要件にも柔軟に対応できる上に、サーバなどハードウェアの運用管理からも解放される（ただし、OSやパッケージ製品のアップデートなどソフトウェアの運用管理は自社で行う必要がある）。
内部統制を追求するなら、カスタマイズが可能なワークフローシステムを
前段ではクラウドの提供形態に注目して、「パブリッククラウドのSaaS製品」と「プライベートクラウドで利用する独自システム」に分けて解説したが、更にワークフローシステムにフォーカスすると、前者は、個別申請業務に特化されカスタマイズできない専用ワークフローであり、後者は、カスタマイズが可能で申請業務全般に対応する汎用的なワークフローシステムあると言える。
経費精算や勤怠管理などの申請業務についてSaaS製品を個別に導入していくと、それぞれが搭載する専用ワークフローを複数利用することになる。結果として申請業務によってUIやメニューなど操作方法が異なり、ユーザは学習に時間を要することになる。また、カスタマイズができないため、社内ルールに完全準拠できないケースもでてくる。この点、カスタマイズが可能な汎用的なワークフロー製品にすれば、できるだけ社内ルールに準拠することが可能で、内部統制レベルの強化が期待できる。
“できるだけ既存ルールに則したワークフローで内部統制を実現したいが、SaaS製品の手軽さも捨てがたい”という企業にお勧めなのが、プライベートクラウドでカスタマイズ可能なワークフローシステムを提供する「ExchangeUSE XG」だ。経費精算や勤怠管理、稟議など、簡単な設定だけですぐに使いはじめられるソリューションも提供されるが、やはりカスタマイズという選択肢を持つことのできる製品を視野に入れておくことも必要だ。
＜コラム：ExchangeUSEとは＞
様々な申請業務の電子化に対応する国産のワークフロー基盤（パッケージ製品）。きめ細かな設定（カスタマイズ）が可能で、既存の社内規定や部門ルールを活かして稟議や申請・承認業務の電子化を実現する。標準提供の旅費交通費・経費精算ワークフローや勤怠管理ワークフローのほか、電子帳簿保存法対応や電子契約、Box連携などのオプションも充実。「ExchangeUSE XG」は「ExchangeUSE」のフル機能をプライベートクラウドで提供するサービスで、富士電機株式会社が管理するクラウド基盤上に専有物理環境にVPNで接続することで、オンプレミスと変わらないセキュリティを実現する
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